どう変わるMaaS【with/beyondコロナの影響は?】

Bus interior by Coronavirus MaaS

新型コロナ感染症パンデミックによって、私たちはたぶん人生で初の「移動制限」を経験しました。移動全般における巨大なサービスの展開を想定していたMaaSは、この先どのように変化していくのでしょうか。with/beyondコロナ時代におけるMaaSへのニーズと変化を調べてみました。

目次 本記事の内容
  1. 「移動」の減少という想定外の事態
  2. そもそもMaaSは何を目指してきたのか
  3. 感染リスク減のための新たなニーズ
  4. 過密を避けるためのモビリティサービス
  5. これからのMaaS【次のターゲットは?】

「移動」の減少という想定外の事態

新型コロナ感染症により、バス、地下鉄、鉄道、飛行機…あらゆる公共の移動手段は、その需要を大きく減らし続け、人は自宅を拠点に、仕事や、買い物、趣味などあらゆる活動における移動手段を制限していることは、周知のとおりです。

Googleが提供している、COVID-19の影響における131か国と地域での人の移動傾向(増減率)コミュニティモビリティレポート by Google によると、それぞれの地域差はあるものの、世界全体で”移動”は減少傾向にあるようです。
日本国内で見ると、例えば公共交通機関の拠点(例:地下鉄、バス、電車の駅)などはコロナ禍前の基準値*から、ー(マイナス)22%という数字が出ており、利用者が減少傾向にあることがわかります。(2020年7月10日現在) 
*基準値=020年1月3日~2月6日の5週間における該当曜日の中央値

災害などによる特定地域の移動制限は、日本人の私たちにとっては今までにも経験したことがあります。しかし、世界が同時期に「移動が止まってしまう」ことは、あらゆる移動を連携させ巨大なサービスとして提供することを目指していたMaaS事業者にとって、ビジネス戦略そのものが揺らぎかねない事態とになりました。

そもそもMaaSは何を目指したのか

MaaS(Mobility as a Service, マース)は、フィンランドのヘルシンキにあるMaaS Global社が、交通経路検索とモバイル決済機能を組み合わせたサブスクリプション型サービス「Whim(ウィム)」から始まったとされています。環境保全への取り組みに積極的であるヨーロッパ諸国において、Whimアプリを利用した交通サービスの普及は、利便性だけでなく、交通渋滞や大気汚染の解消につながるとして、2018年にはフィンランドだけでなく、イギリスやベルギーなどにも大きな広がりをみせました。

MaaSの定義は、

「公共交通機関などを利用して、出発地から目的地への移動を最適な交通手段による一つのサービスとしてとらえ、シームレスな交通を目ざす新たな移動の概念。交通機関による移動とITサービスが融合し、移動手段がサービスとして最適化されることを意味する。」

(日本大百科全書)

とされています。

弊社ディサインのオフィシャルYoutubeでも、分かりやすくご説明しています。
こちらのページからもどうぞ。)

Busola creates the Future with MaaS

2019年まで、つまりコロナ禍以前は、MaaSは人の移動ありきでモビリティの大きなサービス形態が発展していくことが期待されていました。しかしながら、新型コロナ感染症により2020年の幕開けと共にサービス自体のあらたな利用・収益方法について模索がはじまったと言えます。

感染リスク減のための新たなニーズ

2020年7月において、日本や主要各国は、感染リスクを抑えながらも、経済・社会活動を維持する政策に舵を切り始めました。人の移動を支える「with/beyond コロナ」を後押ししたのは、何だったのでしょうか。

コロナ禍における人の移動に関するファーストアクションは、バス運転手や地下鉄、鉄道など公共交通機関に従事する人を感染リスクから守るというものでした。「エッセンシャルワーカー」つまり社会生活の維持活動に欠かせない職業に従事している人たちの移動手段として、公共交通機関は止めてはならないということから、イギリス・ロンドンやアメリカでは、いち早くその指針を表明しました。

例えば、バス運転手と乗客の接触機会を減らすために、前方ドアの乗降を禁止。中・後方のドアのみを使用することが徹底されました。また、ドライバーにはフェイスシールド(またはマスク)と、手袋の着用が義務付けられました。(参照: Transportation Response Center)

このように求められはじめた「接触を避ける」「過密を避ける」という新しいニーズに対応するために、MaaS事業者やオペレーターは、政府や交通事業者と連携し疎密情報の提供することになりました。

(イメージ写真)

過密を避けるためのモビリティサービス

こうした移動制限の中で、テクノロジーが有効なオンデマンドの乗車プラットフォームと提携して、人々が安全に移動できるように支援する動きが活発です。

例えば海外では、Roundtrip(USA)は、医療提供者と患者のためのデジタル輸送プラットフォームを提供しています。他にも、BerlKönig(Berlin)、GRAB(Singapore)、Everest Fleet(Mumbai)のような企業は、移動ができない際の代替手段として、実際にサービスを拡大しています。

日本では、とりわけ疎密情報データによるサービスや自動運転化へ向けた実験が注目されます。

これからのMaaS【次のターゲットは?】

With・Beyondコロナ時代においては、MaaSが提供するのは、快適さだけでなく「安心」がベースとなるようなサービス形態になるように思います。
様々なモビリティサービスとITの連携によって、過密・混雑を避けるニーズを解決する大きな役割を担いながら、ビジネスのチャンスを模索していくフェーズへと進んでいます。

ということで、今後どのような世の中になるだろうかと、勝手に仮説を立ててみました。

[(勝手に)仮説 ]

  • 「混雑」という概念がなくなる
  • 「人が集まる」「密になる」ことが、今後無くなる
  • 公共交通機関は、定期運行でなく、「デマンド(人の要求)」によって運行される
  • 当分は「移動」と「リモート」の選択で進むが、混雑がなくなれば人の移動は復活する。

上記の実現を加速するには、人の常識や、経験におけるリスク回避だけではなく、AIとの連携は必須であり、必然であるのは言うまでもありません。過密状態を可視化するだけではなく、過密事態をつくらせない、事故を未然に防ぐといった次のステップへと進む時期は遠くないでしょう。

日本国内では、国土交通省がMaaSの普及と地域の移動手段として、AIオンデマンド交通の普及に向けた取組を推進しており、2020年7月15日には、高知県にて地域セミナーが開催されました。また、同日ユニバーサルにおけるMaaSの活用方策として、研究会が発足し、バリアフリーの視点からMaaSno利便性向上を検討することが発表されました。

現時点における具体的なMaaSビジネスの潮流

  1. 人の動きを可視化するサービス=リアルタイムに交通系データを可視化して配信。その分析を進めることで、各エリアの疎密状態を解決へと導く。
  2. 代替モビリティサービス=公共交通機関と連動しながらも、代替サービスとしても展開する。

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